A01-設計スケジュール

A01-建築事務所の仕事

はいどうもキュウです。今回は設計スケジュールについて描いていきます。

クライアントから依頼がくるところから建築設計の仕事が始まり、完成した建物を引き渡すまでが主な仕事になります。

初めに依頼がきてから契約前までの相談期間があり、そこから設計期間、工事期間(現場監理期間)と大きく3つのフェーズが存在します。

想定は木造住宅とします。

業務に要する期間はあくまで目安です。建築の規模・土地の条件や建築事務所の方針によって大きく異なるので、参考までにみていただければと思います。

また**設計者として行う詳しい仕事内容は「設計者の仕事の流れ」**で説明しておりますので、こちらの記事も後ほどみていただければより理解が深まります。

【依頼・契約前の相談期間】

まずクライアントからの設計依頼は、土地を保有・購入済みの状態で依頼が来ることがほとんどです。建築事務所によっては土地探しから業務として受け入れているところもありますが、基本的には土地が決定しております。

そこからクライアントの希望条件・予算等をアンケートし、設計事務所側は設計料・スケジュール等を提示し、双方合意し契約まで行くと初めて設計がスタートします。

正式な契約前ではありますが、この相談期間にも下記のような業務を行います

  • 希望条件・予算等のアンケート
  • 土地・法規の簡単な調査
  • 建築の規模が予算と成立するか
  • 予想スケジュール
  • 設計料の提示
  • 銀行融資用の簡易図面

これらの業務を契約のためのサービスとして行うのか、10~15万ほどの報酬で行うのかは建築事務所に委ねられます。報酬が発生している方がこれらの業務に時間をしっかり割くことができるので、双方にとって良いと個人的には考えています。

【設計期間】

設計期間には大きく調査、基本設計、実施設計、申請・施工調整があります。

■ 調査

依頼前にも簡易には調べていますが、本格的に調査業務を行います。役所調査や消防の確認等を行いつつ、測量調査や地盤調査の依頼も行います。測量結果等が出るまでの時間にも影響しますが、おおよそ2週間~1ヶ月ほどで調査します。

結果でるまでにもゾーニング・プランの検討は可能ですので、これくらいの期間で問題はないかと思います。

■ 基本設計

調査により設計条件が決まったら、クライアントの希望条件からゾーニング・プランニングをして建物の外形を決めていきます。

設計は基本設計と実施設計の2つのフェーズが存在しますが、基本設計では概算がとれるようなところまで設計を詰めていきます。

  • ゾーニング
  • 建物のプラン・外形
  • 建具の配置
  • 設備や仕上げのグレード
  • その他こだわり条件

これらを確定させてから、実施設計にて細かな要素を決めていきます。細かな要素は確定させなくてもいいですが、見積り漏れがないように一旦仮で同グレードのものを入れておく必要はあります。

後々『やっぱり部屋の配置を変えたい』など言われてしまうと、設計のやり直しが起こってしまうので、実施設計に進む前に上記の項目は変更ができないと伝えて、クライアントから承認をもらいましょう。

基本設計期間はおおよそ1ヶ月半~3ヶ月ほどかと思いますが、基本設計と実施設計で設ける期間は設計事務所の方針によって大きく異なります。

基本設計でどこまで詰めるか、概算を施工会社にお願いするのかor自社で積算するのかにもよります。概算を施工会社に依頼すると2~3週間ほど時間がかかります。

■ 実施設計

基本設計で上がった概算が予算上問題なく、その上でクライアントから承認をもらえて初めて実施設計に移ります。

実施設計では下記のような項目をたくさん図面を描きながら検討し、1つ1つクライアントに確認を行い、最終的な工事費の見積もりがとれるようにします。

  • 細かな収まり
  • 造作家具等の詳細
  • 仕上げ・機器の確定
  • 細かな寸法・高さの確定

実施設計期間は2~5か月ほどで様々です。

クライアントに確定してもらうことは細かく、図面を描く量も多いため長めの期間を有しますが、建築事務所によって異なり、収まりを事務所で統一している場合などは大きく短縮されます。またクライアントとの打ち合わせ頻度も影響します。

また時間優先でグレードさえ確定していれば見積もりに影響しないため、仕上げの色等の確定は、着工後に回すことも少なくありません。

実施設計の承認をもらった上で、工事費見積を施工会社に依頼します。

■ 申請・工事契約・着工準備

実施設計終了から着工までの期間はおおよそ1~2ヵ月あればと思いますが、申請内容・施工会社の人材確保等にも影響します。

○申請

工事費の見積もりは4~6週間で上がってくるため、この間に申請業務に取り組みます。

申請内容は確認申請のほかにも、条例など当てはまるものはすべて行う必要があります。該当項目が多いとその分時間がかかります。

  • 確認申請
  • 消防

着工までに申請が下りる必要があるので、調査の段階で申請依頼から結果をもらえるまでの期間を確認しておきましょう。

○工事契約

工事費の見積もりが上がったら、クライアントに確認し、予算をオーバーしている場合は減額案を提案して工事費を確定します。

クライアントの承認をもらえた場合、クライアントと施工会社の間で工事契約を行います。その際設計者は立ち合います。

○着工準備

工事契約後、施工するために、施工会社の方で発注・人材確保、施工図の作成・工程表の作成に入ります。着工に入る最低限の施工調整期間が取れ次第、着工します。

その際申請がすべて下りている必要があります。

【工事監理】

■監理

○施工計画書の承認

施工会社から上がってくる施工図に誤りがないか、チェック・承認を行います。

基本的に即座返答しないと工程スケジュールに支障をきたすため、上がってきたら優先して確認しましょう。

○現場のチェック

1~2週に1回程度の頻度で現場に訪れては、工事が計画通りに行われているか確認します。異なっている場合はその都度是正を支持します。具体的には下記のタイミングは必ず確認しましょう。

  • 着工
  • 基礎配筋時
  • 基礎完了時
  • 屋根荷重が構造躯体にかかった際
  • 仕上げ前の下地確認
  • 設備類の確認
  • 工事完了時

○完了検査

工事完了後問題がなければ、工事監理者・施主立合いの下確認検査機関のよる審査を行います。

こちらに合格することで検査済証が交付されます。

■工事

○地鎮祭-着工時

着工時、工事の安全を祈願して地鎮祭を行う場合があります。

地鎮祭を行うかは施主に委ねられます。

○上棟式

建物の骨組みが完成した段階で、その後の工事の安全を祈願して上棟式を行う場合もあります。

上棟式を行うかは施主に委ねられます。

○引渡し

完了検査に合格後、施主へ引渡しとなり、業務完了となります。


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