はいどうも、キュウです。
建物を建てるには莫大な費用が掛かります。建物本体の工事費だけでなく、設計料やその他経費など想像以上の金額が必要になっていきます。
そこで今回は建築費用の全体像がどのような内訳で成り立っているか、それぞれどれくらい掛かるのかを、例を参考に見ていきたいと思います。
木造2階建て、延床110㎡、33.275坪
目次
【建築全体費用】
まずは建物を建築する上での掛かる費用は主に下記になります。
全体費用→建物本体工事費→さらにその内訳という上の階層から見ていこうと思います。
1:建物本体工事費
これは建物本体を工事する際の費用です。詳しい内訳は下記で見ていきます。
全体費用のおよそ75%を占めます。
2:別途工事費
建築本体は施工会社に一任して工事を進めていきます。
その他に、測量や地盤工事など別会社に頼むような別途工事費が掛かります。
3:諸経費
最後に工事・設計以外にも、申請費用や地鎮祭・また設計料に含まれていない場合は交通費等も別にかかってきます。全体に比べてしまえばたいした額ではないですが、見落としてはいけないものになります。
4:設計料
これは建築事務所が設計業務として行うもので本体工事のおよそ15%程度なので、全体の10~12%ほどになります。基本的には業務量・設計期間で計算は行います。
【1.建物本体工事】
上記で出てきた建物本体工事の内訳を見ていきましょう。大きく下記の4つが存在します。
クライアントとなる方は、これらの詳細な金額を知るというより内訳の金額感・割合を知っておくと、どこにお金が掛かるのか分かるため、設計者と減額の調整などもしやすくなると思います。
A:建築工事
Aの建築工事費は主に建築物本体の工事です。
さらに細かい内訳は下記です。
○仮設工事
仮囲いや足場、工事する上で用いるの電力・用水の費用です。
基本的には建築の規模に付随します。
○基礎工事
建築の基礎部分で、単純にコンクリートの量に付随します。
○木工事
木造建築の大部分はここに費用が掛かってきます。ここが1/3を占めるため、世界情勢などによって木材が高騰することが、建築費用に大きく影響するのも納得ですね。
構造部に関してはどうしようもありませんが、造作部の手間は減額の余地があります。
造作家具・収納などを減らし、既製品にするのも一つ手ではあります。
○屋根工事
屋根材によって金額は変わると思います。
○板金工事
板金工事とは雨水処理のための水切りなど薄い金属を加工する工事のことを差します。
金属部の加工部分は決して多くはないですが、手間がかかるため少量でもそれなりの額が掛かってきます。
○タイル工事
タイル自体がそれなりの金額がするため、工事費よりかはタイル本体の金額が影響してきます。
○左官工事
こちらは職人さんの腕に大きく影響する部分ですので、手間・人件費が大きく影響します。
○鋼製建具工事
アルミサッシの窓等の工事です。窓は金属+ガラスのため単純に窓自体が高いです。日当たり・採光はとても大事ですが、窓を増やせばそれだけ金額が上がります。
また窓の大きさは既製品・オーダーメイドかでも大きく変わるので、「隅から隅まで1面」みたいにこだわると一気に金額が変わります。
○木製建具工事
こちらは既製品か制作扉かによってもかわります。
単純に部屋の数に付随して数が増えるため、量も影響します。
○塗装工事
外壁の場合は足場を設立する期間が増えるので、外壁があるかないかも影響します。
基本的には塗料の金額に影響します。
○内装工事
これは仕上げ材のグレードに大きく影響します。クロスだけでも面積が広いので単価が上がるだけで大きく変わります。
○雜工事
仕上げ同様、浴槽・キッチンは商品のグレードによって大きく影響します。ピンからキリまでなのでどこまでこだわるか次第です。
○現場直接経費
運搬など現場で直接的に掛かる経費になります。
これらは施工会社によるので、よほど高くなければ触れられない項目です。
B:電気設備工事
電気工事は建築工事費とは別に内訳が出されます。
配線・照明の他に、電話線などの弱電工事。電力会社との申請など電気工事全般の金額になります。主には照明の量や機器によって金額が変わります。
C:給排水工事
給排水工事も建築工事費とは別に内訳が出されます。
給水・給湯、衛生器具といった、建物内部に加え、排水と下水道との接続など水回り全般を担っています。土地のインフラの状況によって増額することもあるので、土地の状況も土地購入前に要確認です。
D:諸経費
最後に諸経費は主に施工会社の人件費等になります。
おおむね10%程度で、ここを安くしろというのは、ただ働きしろという大変失礼なことですので、ここに関しては特に触れる必要は基本的にありません。
以上が建築費用の全体像になります。
これに加えて土地購入費用や引っ越し等多くの費用が掛かってくるので、余裕を持った計画をしていきましょう。
まずは基準となる建築全体費用を決めると良いでしょう。
そうすると全体の75%である1.本体工事費をどれくらいになるのかが見えてきます。必要な延床面積と比較して、坪単価いくらを目指すのか?坪単価が見えてくると家の内容・グレードをどれくらいにするのが適切かもわかってきます。
一旦仮に置いた上で、費用・面積・内容・グレードどの優先順位が高いのか、を比較しながら調整していきましょう。
設計者目線で工事見積を精査する上では、詳細な計算方法・現在の単価を知る必要があります。
それらの詳しいことは下記の記事に記載してますので、参考にしてみてください。